『中華製トルクレンチ 精度±4%』の疑問とその実力

china torque - 『中華製トルクレンチ 精度±4%』の疑問とその実力

先日、楽天ショップで小さなボルトの締め付け用にと5N-mから25N-mまで測れるトルクレンチを購入しました。までは良かったけど、勇気を持って注文したのはやはり中華製。Amazonでも同じ品が流通していますので、今回は、この怪しげなトルクレンチについての話です。

届いた品を見てビックリした事

この商品の精度は「±4%」との事。トルクレンチで有名な東日さんでも精度は±3%だし、1%くらい緩くても中華製ならよくある話じゃん。とその説明を鵜呑みにしてポチった訳です。

デリケートな部品の締め付け用なので、本来は弱いトルクほどいいバネを使っている高級品が必要なのはわかるけど、毎日使うわけでもないし、そんな物に東日さんの数万円もする工具なんて買えません。という事で、2千円ほどの自転車用として販売しているこいつを購入したのです。

そして届いた品物を見てビックリ。写真では少しわかりずらいのですが、このトルクレンチ、セットする側にTORQUESとあり、その下にNEWTON – METERSの文字と目盛りがあって、なぜか反対側にはCM – KGSの目盛りが刻まれています。

Nm torque - 『中華製トルクレンチ 精度±4%』の疑問とその実力
TORQUES
kg torque - 『中華製トルクレンチ 精度±4%』の疑問とその実力
CM – KGS

何を基準に決めているのだ、中国では(笑)

TORQUES NEWTON – METERS側の最小目盛りは5でMAXは25。反対側のCM – KGSは最小が4.5なのにMAXは同じ25。??? N-m側で0にセットすると反対側では4.5よりひと目盛り進んだところになっています。

CM – KGSは、恐らくkgf・cm(キログラム・センチメートル)の事だと思うのですが、最低計測値の5N-mで合わせるとkgf・cmの場合50.99になります。50を5で表現したと好意的に捉えたとしても、どちらの単位でも計測できるというか、置き換えるために刻まれているとするならば、写真のような4.5プラスαではなく5.0プラスαでないとおかしい事になります。

もっと譲歩してみれば、仮に目盛りを1N-m=10.197kgf・cmで表現して、どちらでもトルクをかけられるとしても「字が小さすぎて見えない!」し、数字の削り込みが浅すぎて日中の外でしかはっきりと確認する事はムリなので、曇りの日やガレージなどで作業をする人にとっては非常に使いにくいツールです。

こうなってくるとですね、商品説明にあった精度±4%という言葉の根底が崩れて、いったい何%の誤差があるのかすら不明なトルクレンチという事になっちゃいます。ですが、まぁ、せっかく購入したのでN-m側の目盛りだけを信じて使ってみました。

さて、中華製トルクレンチの実力を検証 vs 東日 vs SK11デジタル

今回の主役である中華トルクレンチの計測範囲は5〜25N-m。東日トルクレンチは10〜50N-mまで計測可能。で、写真で見ると、上の中華製の首部分が歪んでいるのはご愛嬌かな。

torque wrench - 『中華製トルクレンチ 精度±4%』の疑問とその実力
上が中華製 下が東日

SK11のデジタルトルクレンチは3〜60N-mです。

sk 11 - 『中華製トルクレンチ 精度±4%』の疑問とその実力

なのでチェックポイントは、以下の基準で比べてみます。

  • 5N-mの締め付けを、中華製レンチとSK11で比較チェック
  • 10N-mの締め付けを、中華製・SK11・東日で検証
5N m - 『中華製トルクレンチ 精度±4%』の疑問とその実力
5N-mでマーキング

まず、5N-mで締めてみたところでマーキング。中華製とSK11の値にはほぼ変化はなく意外と正確なトルクでした。締め付け順序はどちらから行ってもマーキング位置に変化はでませんでした。

10N m - 『中華製トルクレンチ 精度±4%』の疑問とその実力
10N-mでマーキング

10N-mでは、中華製・SK11・そしてMADE IN JAPANが誇るトルクレンチ専門メーカーの東日で検証しました。これも意外にマーキングした位置の変化もなく、きちんとトルクをかけることができるレンチだと証明されました。なお、締め付け順を色々と変えても変化はありませんでした。

中華製トルクレンチは買いか?

う〜ん、微妙なところです。結論としては、最低トルクもしくは最高トルクの両極端で使うなら便利な品物だと思います。

精度の低下は長く使っていないのでわかりませんが、想像範囲では、なにせ中華製のバネ内蔵ですからその品質には疑問がありますし、目盛りの調整もおかしいところがあり、きちんと指定したトルク設定になっているか、これ単体だと判断がつかないためです。

このレンチの場合、本体側には5から25まで奇数の目盛りが刻まれていて、ハンドル側のダイヤルには0から8までの偶数の目盛りが2回刻まれています。

最低トルクの5N-mでは0の位置と本体の5の位置は合うのですが、10N-mのテストの際、5N-mに合わせてからダイヤルを回して次の0で6N-mのはずで、5回過ぎれば10N-mのはずなのですが、なぜか本体側の目盛りで見ると11N-mの設定になっているのです。

これで締めた時、SK11では11N-mの数値が出ていましたので間違いはないと思います。で、半周戻して計測したら、これが10N-mで、SK11も東日も同じ10N-mのトルクでした。

目盛りがおかしいとか、センターがずれているなんてのはAmazon中華製商品では日常茶飯事ですし、正確なモノなんてみた事がないので、それを割り切って使うならありかなというレベルです。

もう一つ検証に使ったレンチが意外と使えるなと思いました。BIKE HANDのコンパクトレンチです。

bike tool - 『中華製トルクレンチ 精度±4%』の疑問とその実力

プレート型トルクレンチと同じ構造でシンプルで壊れにくい。目盛りは0〜10N-mなので、例えばカウルなどの取り付けに使えば、めちゃくちゃ正確なトルク管理は必要ないけどオーバートルクを避けられそうだし、SK11の重いレンチなんかをいちいち出す必要もない。掃除機で言えばハンディータイプみたいな便利さで使える。

なので、10〜50N-mの中間トルクあたりに東日を使い、シャフトの取り付け等にはそこまでの高級品でなくて、一応、日本製のトルクレンチを使う。そして、10N-mまでのトルク管理にはこれがいいかも。

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